「7.1chサラウンド対応」って書いてあるけど、耳に当たる部分は左右に1つずつしかないよね…? これって何が起きてるの?
悩む人
先に答えをお伝えします。
ゲーミングヘッドセットの7.1chは、ほとんどが計算で「そう聞こえるようにしている」機能です。
スピーカーが8個入っているわけではありません。
左右2つのスピーカーで鳴らす音を加工し、後ろや斜めから鳴っているように錯覚させています。
そしてFPSでは、まずオフのまま使うほうが足音を取りやすくなります。
理由まで含めて、順番に見ていきましょう。
POINT この記事でわかること
7.1chが何をしている機能なのかが分かり、自分がオンにすべきか判断できるようになります。FPSで有利になる場面と、かえって分かりにくくなる場面の両方を扱います。
NOTE 先に用語だけ30秒で
ステレオ=左右2つのスピーカーで鳴らす、いちばん基本の再生方式です。
定位=音がどの方向・どのくらいの距離から鳴っているかの分かりやすさを指します。
バーチャル=「実際にはないものを、計算でそう感じさせる」という意味です。
仕組みが分かると、設定画面で迷わなくなります。5分だけお付き合いください!
RYOTA
ゲーミングヘッドセットのサラウンドとは何か
サラウンドは、音が鳴っている方向を増やして感じさせる機能です。
言葉の意味から順に押さえていきましょう。
ステレオは左右の2方向しかありません。
そこに前後や斜めの情報を足して、音に囲まれているように聞かせます。
大事なのが、その実現方法が2種類あることです。
リアルサラウンドとバーチャルサラウンドの違い
| 種類 | 仕組み | ゲーミングヘッドセットでの採用 |
|---|---|---|
| リアルサラウンド | スピーカーを複数個そのまま搭載する | ごく一部 |
| バーチャルサラウンド | 左右2つの音を計算で加工して方向を作る | 大半がこちら |
「7.1ch対応」と書かれていても、中身はほぼバーチャルのほうだと思って構いません。
スピーカーを8個も入れると重くなり、耳に近すぎて逆に混ざってしまうからです。
そもそもゲーミングヘッドセットが普通のヘッドホンと何が違うのかは、ゲーミングヘッドセットとは?で整理しています。
7.1chはどうやって方向を作っているのか
仕組みが分かると、宣伝文句に振り回されなくなりますよ。
人が音の方向を感じ取る手がかりは、主に3つあります。
- 左右の耳に届く時間のわずかなズレ
- 左右の耳での音の大きさの差
- 耳の形や頭にぶつかって生まれる音色の変化
バーチャルサラウンドは、この3つを計算で作り出す仕組みです。
たとえば「後ろから鳴っている音」に、後ろから回り込んできたときの音色の変化を足します。
すると脳が「これは後ろの音だ」と判断してくれるわけです。
つまり、音を足している機能です
ここまでの説明でいちばん大事なのが、この「足している」という点です。
バーチャルサラウンドは、元の音に加工を足して方向を作っています。
引き算ではなく足し算です。
この「足された分」が、FPSでは邪魔になることがあります。
FPSでオフをすすめる理由
足された加工には、響きの成分が含まれます。
部屋で手を叩いたときに残る、あの反響に近いものです。
響きが乗ると音が少しふくらみ、「近いのか遠いのか」がぼやけやすくなります。
FPSで知りたいのは、方向だけではありません。
「どのくらいの距離にいるか」が分かって初めて、次の行動を決められます。
多くのFPSはステレオでも方向が分かるように音がつくられています。
だからこそ、まずは加工のない状態で耳を慣らすほうが近道です。
- 響きが加わることで、足音の距離感がつかみにくくなる場合があります
- 加工のかかり方はソフトによって差があり、機種を替えると感覚が変わります
まずステレオで慣れる、が安全な順番
サラウンドが悪い機能というわけではありません。
順番の問題です。
ステレオで足音の方向を取れるようになってから、サラウンドを試してください。
そのとき初めて「自分には合う・合わない」を判断できます。
音量バランスの整え方は、ゲーミングヘッドセットおすすめ5選でも触れました。
ゲーミングヘッドセットのサラウンドが力を発揮する場面
ところがFPS以外に目を向けると、評価はがらりと変わります。
あなたがよく遊ぶジャンルに当てはめて読んでください。
- 映画:広がりが出て、迫力を感じやすくなります
- オープンワールドのゲーム:環境音に包まれる感覚が強まります
- ホラーゲーム:どこから音がしたか分からない不安感が増します
競技として勝ちにいく場面と、世界に浸る場面では、求めるものが逆になります。
ゲームごとに切り替えるのが、いちばん賢い使い方です。
音楽を聴くときはオフのほうが自然です
音楽は、制作時にステレオで聴かれる前提でつくられています。
そこに方向の加工を足すと、意図された鳴り方から離れてしまいます。
ヘッドセットを音楽にも使うなら、切り替えられるようにしておくと快適です。
サラウンドはどこで処理されているのか
同じ「7.1ch対応」でも、加工している場所が機種によって違います。
この違いを知らないと、ゲーム機につないだときに「機能が見当たらない」と戸惑ってしまいます。
| 処理する場所 | 特徴 | 注意する点 |
|---|---|---|
| パソコンのソフト | メーカー製アプリで設定する | ゲーム機に挿すとステレオになることがある |
| ヘッドセット本体 | 本体のボタンで切り替えられる | つなぐ機器を選ばない |
| ゲーム機やOSの機能 | 本体の設定画面から使う | ヘッドセット側の対応は不要 |
パソコンのソフトで処理するタイプは、PS5やSwitchに挿すとステレオ再生になることがあります。
ゲーム機がメインなら、購入前にどこで処理するのかを確認しておいてください。
使う機器が複数あるなら本体切り替え型が楽
パソコンとゲーム機を行き来する人は、本体で切り替えられるタイプだと迷いません。
つなぎ先を変えても、同じ操作で同じ状態にできるからです。
複数の機器で使い回したい人向けの選び方は、ゲーミングヘッドセットおすすめ5選で機種ごとに整理しています。
CAUTION ✕ 悪い例 → ○ 良い例
✕ 悪い例:7.1chをオンにすれば足音が分かると思い、買った日から常時オンで遊びました。距離感がつかめないまま、腕のせいだと思い込んでいます。
○ 良い例:まずステレオのまま1週間遊びました。左右で位置を取れるようになってからオンにしたので、合う場面と合わない場面を自分で判断できています。
サラウンドについてよくある3つの誤解
サラウンドには、思い込みが広まりやすい部分があります。
誤解①「7.1chのほうが音がいい」
数字はスピーカーの数ではなく、方向の数を表しています。
音の解像度とは別の話です。
7.1ch対応でも、ドライバー(音を出す部品)の質が低ければ音は良くなりません。
誤解②「サラウンドがないと足音が聴こえない」
聴こえます。
ステレオにも、左右と距離の情報は入っているからです。
機能の有無より、左右が正確に鳴るかどうかのほうが重要です。
安い機種でも足音は聴こえる、という話は1万円以下のゲーミングヘッドセットおすすめ5選で詳しく扱っています。
誤解③「オンにすれば誰でも上手くなる」
慣れの要素が大きい機能です。
加工された音の距離感に耳が慣れるまで、一時的にかえって分かりにくくなることもあります。
試すなら、ランクマッチではなくカジュアルな試合で試してください。
自分に合うかを確かめる3ステップ
理屈より、実際に耳で比べるのがいちばん早い方法です。
次の順番で試してください。
- 味方のいない場面で、同じマップを2回歩く(1回目オフ、2回目オン)
- 遠くの足音を聞いて、「近い・遠い」が言い当てられるかを確かめる
- 迷ったらオフに戻す。判断に迷う時点で自分には合っていない
音の好みは人によって違います。
だからこそ、口コミではなく自分の耳で確かめるのが確実です。
NOTE 比べるときのコツ
同じ日のうちに続けて比べてください。日をまたぐと、体調や音量の記憶が変わってしまい、違いが分からなくなります。
ゲーミングヘッドセットは結局どこを見て買えばいいのか
サラウンド対応かどうかは、選ぶときの決め手にはなりません。
代わりに、次の3つを見てください。
- 左右の鳴り方が正確か(方向が分かるか)
- 長時間つけていて痛くならないか
- 使いたい機器につながるか
この3つを満たしていれば、サラウンドは「あれば試せる」程度に考えておけば十分です。
まとめ:サラウンドは足し算の機能
7.1chバーチャルサラウンドについて解説してきました。
7.1chはほぼバーチャルで、FPSではまずオフから始めてください。
- ゲーミングヘッドセットの7.1chはほぼバーチャル。スピーカーは増えていない
- 仕組みは元の音に加工を足して方向を感じさせるもの
- 足された響きで距離感がぼやけるため、FPSはまずオフで慣れる
- 映画やオープンワールドでは力を発揮する。用途で切り替えるのが正解
- 買うときの決め手は機能の有無ではなく、左右の正確さと装着感
方向の分かりやすさで選ぶなら、まずこの1台が候補になります。
Razer
Razer BlackShark V2 X
「まず足音が聴こえる環境」を最安クラスで。FPS入門ヘッドセットの鉄板。
| 接続 | 有線(3.5mm) |
|---|---|
| 重さ | 約240g |
| ドライバー | 50mm |
| マイク | 着脱不可(跳ね上げ式ではない) |
| 参考価格 | 6,490円前後 (参考価格・セールで変動大) |
ゲーム適合
ここが強い
- 6千円台でFPS向け定位の入門定番
- 240gと軽く長時間でも疲れにくい
- PS5/Switchにも3.5mmでそのまま使える
ここは注意
- 有線のみ
- マイク音質は価格なり
保証:メーカー保証2年(条件は公式サイトで要確認)。 Amazon発送商品は原則、到着後30日以内の返品に対応(状態・条件あり)。
Razer BlackShark V2 X の詳細レビューを読む →
少しでも安く買いたい人へ:ヘッドセットはセールでの値下がり幅が大きいジャンルです。
セール時期の完全ガイドに、値下がりのタイミングと安く買うコツをまとめました。
ボイスチャットの声の届き方が気になる人は、ゲーミングヘッドセットのマイク音質おすすめ5選もあわせてどうぞ。
設定画面の項目が1つ減るだけで、気持ちはずいぶん楽になります。まずはオフのまま遊んでみてください!
RYOTA