モニターの応答速度って、1msと5msでそんなに変わるの?どっちも「1ms」って書いてあるのに、値段が倍くらい違う商品もあるんだよね。何を信じればいいのか分からない…。

悩む人

結論、FPSをやるなら「1ms(GtG)」と書かれているものを選べば外しません。

大事なのは数字ではなく、カッコの中の表記です。

同じ「1ms」でも、GtGとMPRTでは測っているものがまったく違います。

MPRTで1msと掲げていながら、GtGは5msという製品も実在するほどです。

この記事では、その見分け方と、応答速度で本当に変わることを整理します。

POINT この記事でわかること

応答速度が何を測った数字なのかが分かり、スペック表の「1ms」を鵜呑みにせず自分で判断できるようになります。GtGとMPRTの違い、残像低減機能の正体、そして応答速度を基準に選ぶなら実際どれを買えばいいのかまで、5分で押さえられます。

NOTE 本記事の情報について

本記事は各メーカーが公開しているスペック表をもとに構成しています。価格は2026年8月9日時点で確認したものです。

数字だけ見て買うといちばん損をする項目です。先に表記の話だけ読んでみてください。

RYOTA

ゲーミングモニターの応答速度とは何を測った数字か

速いほうがいいのは間違いありません。

ただ、表記されている数値をそのまま比べても当てにならないので、用語の中身から整理しておきましょう。

応答速度は「色が切り替わるまでの時間」

応答速度とは、画面のドット(画素)が色を切り替えるのにかかる時間です。

単位はms(ミリ秒)で、1msは1,000分の1秒を指します。

応答速度が5msのモニターなら、色が「黒」→「白」→「黒」と変わりきるまでに0.005秒かかる、ということです。

この切り替えが間に合わないと、前のコマの色がうっすら残ったまま次のコマが表示されます。

それが連続すると、動いているものの後ろに尾を引いたように見えます。

これが残像です。

敵の輪郭がぼやけて見えるわけですから、一瞬で勝敗が決まるFPSでは無視できない差になります。

応答速度と一緒に書かれている「GtG」とは

スペック表でよく見るのが、「1ms(GtG)」という書き方です。

GtGは「Gray to Gray」の略で、中間色から別の中間色へ切り替わるまでの時間を指します。

なぜわざわざ中間色で測るのかというと、実際のゲーム画面で起きているのが中間色どうしの切り替えだからです。

「黒→白」は端から端まで一気に振り切る動きなので、パネルにとっては得意な変化です。対して「灰色→別の灰色」は途中で正確に止める必要があり、時間がかかります。実際の映像は後者の連続なので、GtGのほうが現実に近い数値になります。

そのため、モニターを選ぶときはGtGの数値を見てください。

「GtG」も「MPRT」も書かれていない1msは、条件のいい測り方をしている可能性があります。表記まで含めて確認しましょう。

RYOTA

もう1つの表記「MPRT」に注意

スペック表で「MPRT 1ms」と書かれているモニターもあります。

これはGtGとはまったく別の指標です。

表記何を測っているか見方
GtG画素の色が変わるまでの時間パネル自体の速さ。これが本来の応答速度です
MPRT人の目に残像が見えている長さ残像低減機能を使ったときの数値です

問題は、MPRTの数値が「黒挿入」や「バックライトのストロービング」といった機能を使って達成される点にあります。

これらは映像の合間に黒い画面を差し込むことで残像を目立たなくする仕組みで、原理上画面が暗くなります。

CAUTION MPRT 1msの落とし穴

「MPRT 1ms」を掲げているモニターでも、GtGは5msというケースがあります。

この場合、残像低減機能をオフにすれば、ただの5msモニターです。

機能をオンにすれば残像は減りますが、輝度が落ちて画面が暗くなるため、常用しない人も多くなります。

スペックを見るときは、GtGの数値を基準にしてください。

MPRTしか書かれていない製品は、GtGを公表していない可能性があります。

応答速度が速いと、何が変わるのか

応答速度には、期待していい効果と期待しすぎてはいけない効果の2つがあります。

この2つを分けておくのが、スペック表を読むコツです。

変わること:動いている敵の輪郭がぼやけにくくなる

これが応答速度の本命です。

視点を素早く振ったとき、遅いモニターでは背景も敵も尾を引きます。

その状態では敵と地形の境目が曖昧になり、「いる気はするけど輪郭が掴めない」という見え方になります。

応答速度で差が出るのは画面が大きく動いている瞬間です。止まって索敵している場面では、1msと5msの差はほとんど分かりません。逆に言えば、振り向きながら撃つ機会が多い人ほど恩恵を受けます。

誤解しやすいこと:応答速度は「反応の速さ」ではない

応答速度と入力遅延は、取り違えている人がとても多い2つです。

CAUTION 応答速度 ≠ 入力遅延

応答速度は色が変わりきるまでの時間であって、マウスを動かしてから画面に反映されるまでの時間(入力遅延)とは別物です。

1msと5msの差は4msです。人間の反応速度が200ms前後であることを考えると、この差だけで撃ち勝てるようになるわけではありません。

変わるのは「見やすさ」であって「速さ」ではない、と捉えるほうが正確です。

CAUTION ✕ 悪い例 → ○ 良い例

✕ 悪い例:「1msなら撃ち勝てる」と思って、応答速度だけを見て60Hzのモニターを買いました。1秒間に60枚しか表示されないので、視点を振ったときのカクつきは変わらないままです。

○ 良い例:まず144Hz以上を条件にして、そのなかからGtG表記のあるものを選びました。表示される枚数が増えたうえで1枚ずつがくっきりするので、敵を目で追いやすくなります。

体感で差が大きい順に言えば、リフレッシュレート(何枚表示されるか)→ 応答速度(1枚がどれだけくっきりしているか)という優先順位になります。

1秒あたりの表示枚数そのものについては、リフレッシュレートとフレームレートの違いで整理しました。

「1msにしたのに勝てない」となるのは、期待している中身がズレているからです。応答速度は見やすさの話だと思ってください。

RYOTA

残像低減機能はメーカーごとに名前が違う

応答速度そのものに加えて、残像を減らす機能を積んだモニターがあります。

ややこしいのが、同じ仕組みなのにメーカーごとに呼び名がバラバラな点です。

メーカー呼び名
BenQ ZOWIEDyAc(Dynamic Accuracy)
ASUSELMB(Extreme Low Motion Blur)
IODATAClear AIM

名前は違っても、やっていることは映像の合間にバックライトを落として残像を目立たなくするという同じ処理です。

なお、IODATAはこの機能をどう使ったときの数値なのかまで公開しています。

EX-GDQ271JAの製品ページを見ると、0.2ms(GTG)には条件が付いていました。

「180Hz、オーバードライブレベル3、Clear AIMレベル3設定時」の測定値だと書かれています。

ここまで書いてあると、条件を揃えて比べられます。

効果が分かりやすいのは、フルオートで撃ったときの画面の揺れです。

CAUTION オンにすると画面は暗くなる

黒を挟む以上、輝度は落ちます。明るい部屋では気にならなくても、暗い部屋だと物足りない明るさです。常時オンにするかは好みが分かれる機能なので、必須条件ではなく「あると嬉しい」くらいに考えておくと選びやすくなります。

実際に使ってみて分かったこと

デスクに置いたBenQ ZOWIE XL2411K

僕がメインで使っているのは、DyAcを積んだBenQ ZOWIE XL2411Kです。

144Hz・1ms(GtG)の24インチで、FPSをやるときはこれを見ています。

使っていていちばん変わったと感じたのは、実は残像そのものよりも暗いところの見え方でした。

同時に載っている「Black eQualizer」という機能で暗部だけを持ち上げられるので、建物の影に潜んでいる相手が見つけやすくなります。

DyAcのほうは、撃っている最中の画面の揺れが収まる感覚があります。

ただし画面が暗くなるぶん、普段は切って使うことが多いです。

NOTE いまから買う人へ

このXL2411Kは、2026年8月時点で価格.comの取扱いが2店舗まで減り、実売も4万円台に上がっていました。同じ性能を1万円台で買えるモデルがいくつも出ているので、これから買うなら次の章から選んでください。

応答速度で選ぶなら、この3機種から

実際に買える3機種を、応答速度の速い順ではなく価格の安い順に並べました。

いずれもGtG表記がある製品だけを選びました。

1. ASUS TUF Gaming VG259Q5A。GtG表記の1msが1万円台

ASUS TUF Gaming VG259Q5A の商品画像
サイズ 24.5型
解像度 フルHD(1920×1080)
リフレッシュレート 200Hz
パネル Fast IPS ノングレア
応答速度 1ms(GTG)/0.3ms(min.)
入力端子 HDMI 2.0×2/DisplayPort 1.4×1
参考価格 16,980円前後 (2026年08月15日 にAmazonで確認)
サイズ 24.5型
解像度 フルHD(1920×1080)
リフレッシュレート 200Hz
パネル Fast IPS ノングレア
応答速度 1ms(GTG)/0.3ms(min.)
入力端子 HDMI 2.0×2/DisplayPort 1.4×1
参考価格 16,980円前後 (2026年08月15日 にAmazonで確認)

24.5型のフルHDで200Hz、応答速度はASUS公式が「1ms(GTG), 0.3ms(min.)」と併記しています。

数年前まで競技向けの基準だった1ms(GtG)が、いまは1万円台の価格帯です。

ASUSのELMBという残像低減機能も積んでいるので、この記事で挙げた条件を1台で満たせます。

HDMIが2系統あるため、パソコンとゲーム機を挿したまま切り替えられるのも実用面での利点です。

1

ASUS

ASUS TUF Gaming VG259Q5A

16,980円前後(参考)

ASUS TUF Gaming VG259Q5A の商品画像

Switch 2とPCを挿しっぱなしにできる24.5型。FPSの入門にちょうどいい。

✓ FPS・TPSに強い

サイズ24.5型解像度フルHD(1920×1080)リフレッシュレート200Hz

ここが強い

  • HDMIが2系統でSwitch 2とPCを挿しっぱなしにできる
  • 0.3msとELMBで残像が少ない
  • 24.5型はFPSで視線移動が小さい
  • ステレオスピーカーを内蔵している

ここは注意

  • フルHDなので作業用途では手狭
  • HDMIが2.0なので4K機器の高リフレッシュには向かない

保証:メーカー保証あり(期間は販売ページで要確認)(条件は公式サイトで要確認)

表示の滑らかさ 4.5 残像の少なさ 4.5 画質 3.0 機能の充実 3.5 コスパ 4.5
当サイトスコア 20点/25点(各項目5点満点) — 算出基準を見る
サイズ 24.5型
解像度 フルHD(1920×1080)
リフレッシュレート 200Hz
パネル Fast IPS ノングレア
応答速度 1ms(GTG)/0.3ms(min.)
入力端子 HDMI 2.0×2/DisplayPort 1.4×1
参考価格 16,980円前後 (2026年08月15日 にAmazonで確認)

2. IODATA GigaCrysta EX-GDQ271JA。0.2ms(GTG)で画面も広い

IODATA GigaCrysta EX-GDQ271JA の商品画像
サイズ 27型
解像度 WQHD(2560×1440)
リフレッシュレート 180Hz
パネル AHVA(IPS系)ノングレア
応答速度 0.2ms(GTG)
入力端子 HDMI×2/DisplayPort×1
参考価格 29,980円前後 (2026年08月15日 にAmazonで確認)
サイズ 27型
解像度 WQHD(2560×1440)
リフレッシュレート 180Hz
パネル AHVA(IPS系)ノングレア
応答速度 0.2ms(GTG)
入力端子 HDMI×2/DisplayPort×1
参考価格 29,980円前後 (2026年08月15日 にAmazonで確認)

27型のWQHDで180Hz、応答速度は0.2ms(GTG)まで詰めています。

画面が広くなるぶん、ゲーム以外の作業も同じ1台で足ります。

スピーカーを内蔵しているので、モニターだけ買えば音も出せる仕様です。

FPSに軸足を置きつつ、作業でも使いたい人にちょうど収まる位置にあります。

2

IODATA

IODATA GigaCrysta EX-GDQ271JA

29,980円前後(参考)

IODATA GigaCrysta EX-GDQ271JA の商品画像

Switch 2のWQHD 120Hzを一番手堅く受け止める27型。迷ったらここから。

✓ FPS・TPSに強い

サイズ27型解像度WQHD(2560×1440)リフレッシュレート180Hz

ここが強い

  • Switch 2の1440p 120Hzに対応(HDR出力オフが条件)
  • スピーカー内蔵で機器を選ばない
  • 縦横回転できるスタンド

ここは注意

  • HDMIの世代が明記されていない
  • 4Kは表示できない

保証:メーカー保証あり(期間は販売ページで要確認)(条件は公式サイトで要確認)

表示の滑らかさ 4.0 残像の少なさ 4.0 画質 4.0 機能の充実 4.0 コスパ 4.5
当サイトスコア 20.5点/25点(各項目5点満点) — 算出基準を見る
サイズ 27型
解像度 WQHD(2560×1440)
リフレッシュレート 180Hz
パネル AHVA(IPS系)ノングレア
応答速度 0.2ms(GTG)
入力端子 HDMI×2/DisplayPort×1
参考価格 29,980円前後 (2026年08月15日 にAmazonで確認)

3. LG UltraGear 27GX700A-B。0.03msという別世界

LG UltraGear 27GX700A-B の商品画像
サイズ 26.5型
解像度 WQHD(2560×1440)
リフレッシュレート 280Hz(HDMI・DisplayPortとも48〜280Hz)
パネル 有機EL(プライマリーRGBタンデム)ノングレア
応答速度 0.03ms
入力端子 HDMI×2/DisplayPort 1.4×1/USBハブ
参考価格 88,000円前後 (実売相場(価格.com最安・2026年8月時点)。Amazonの購入ボックスは第三者出品のため対象外)
サイズ 26.5型
解像度 WQHD(2560×1440)
リフレッシュレート 280Hz(HDMI・DisplayPortとも48〜280Hz)
パネル 有機EL(プライマリーRGBタンデム)ノングレア
応答速度 0.03ms
入力端子 HDMI×2/DisplayPort 1.4×1/USBハブ
参考価格 88,000円前後 (実売相場(価格.com最安・2026年8月時点)。Amazonの購入ボックスは第三者出品のため対象外)

有機ELパネルを積んだ26.5型で、応答速度は0.03msです。

液晶は液晶分子を動かして色を変えるため、どれだけ速くしても時間がかかります。

有機ELは画素そのものが光ったり消えたりするので、切り替えの速さが桁ひとつ違ってきます。

黒が完全に沈むぶん、暗いシーンの見え方も液晶とは別物です。

価格は8万円台まで上がり、同じ絵を長く映し続けると焼き付く可能性もあるので、予算に上限がない人向けの選択になります。

3

LGエレクトロニクス

LG UltraGear 27GX700A-B

88,000円前後(参考)

LG UltraGear 27GX700A-B の商品画像

有機ELの黒と0.03ms。暗所の見え方が一段変わる27型。

✓ FPS・TPSに強い

サイズ26.5型解像度WQHD(2560×1440)リフレッシュレート280Hz(HDMI・DisplayPortとも48〜280Hz)

ここが強い

  • HDMIでもDisplayPortでも280Hzまで出せる
  • 0.03msで残像がほぼ出ない
  • クロスヘア表示とFPSカウンターを本体に内蔵している

ここは注意

  • 価格が高い
  • 有機ELは焼き付きに気を配る必要がある
  • スピーカーを内蔵していない

保証:メーカー保証あり(期間は販売ページで要確認)(条件は公式サイトで要確認)

表示の滑らかさ 5.0 残像の少なさ 5.0 画質 5.0 機能の充実 4.0 コスパ 2.5
当サイトスコア 21.5点/25点(各項目5点満点) — 算出基準を見る
サイズ 26.5型
解像度 WQHD(2560×1440)
リフレッシュレート 280Hz(HDMI・DisplayPortとも48〜280Hz)
パネル 有機EL(プライマリーRGBタンデム)ノングレア
応答速度 0.03ms
入力端子 HDMI×2/DisplayPort 1.4×1/USBハブ
参考価格 88,000円前後 (実売相場(価格.com最安・2026年8月時点)。Amazonの購入ボックスは第三者出品のため対象外)

3つとも性格が違うので、迷ったら1番から見てみてください。応答速度だけなら、これで十分に速いですから。

RYOTA

モニター全体の選び方も見ておく

応答速度は、モニター選びの一項目にすぎません。

解像度・リフレッシュレート・パネル・サイズを含めて決めたい人は、ゲーミングモニターおすすめ8選に判断の順番をまとめました。

とくに必要なリフレッシュレートは、つなぐ機器の側で決まります。

Nintendo Switch 2は、4Kだと60fpsまでしか出ません。

パソコンで240fpsが出ていないなら、240Hzのモニターを買っても表示される枚数は増えません。

自分の環境が何fps出ているか分からない人は、PCのfps(フレームレート)を確認する方法で先に測っておいてください。

まとめ:応答速度は「1ms」ではなく「1ms(GtG)」で見る

応答速度の話は、数字そのものより表記を見ることに尽きます。

POINT この記事のまとめ

  • 応答速度=画素が色を切り替えるのにかかる時間です。単位はmsになります
  • GtGがパネル本来の速さで、実際のゲーム画面に近い測り方です
  • MPRTは残像低減機能を使った数値で、オフにすると当てはまりません
  • 変わるのは「見やすさ」であって「反応の速さ」ではありません(入力遅延とは別物です)
  • RPGや作業が中心なら、5msでも支障はほぼありません

FPSを本気でやるなら、144Hz以上 + 1ms(GtG)を最低ラインにしておけば外しません。

残像低減機能は、あれば嬉しい追加要素という扱いで足ります。

あなたがいま候補にしているモニター、スペック表のカッコの中まで確認しましたか?

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